- 公開日
- 最終更新日
相続を相談・依頼する弁護士の選び方
- 執筆者弁護士 山本哲也
遺産相続を弁護士に相談するとき、誰でも良いわけではありません。
依頼先によって結果や満足度が大きく変わってくる可能性もあります。
遺産相続を相談するなら相続に力を入れていて遺産関係の取り扱いを得意としている人を選びましょう。
今回は相続を相談・依頼する弁護士の選び方をご紹介しますので、これから遺産相続を専門家に相談しようとしている相続人の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
1.相続に対応できる専門家
遺産相続に対応している専門家にはたくさんの種類があります。
代表的な専門家は以下の4種類です。
行政書士
主に行政文書を代筆してくれる専門家です。
相続人調査や相続財産調査、遺産分割協議書の作成や遺言書作成のサポートなどを受けられます。
ただしトラブル解決能力はなく、不動産登記や相続税の問題も相談できません。
司法書士
主に登記を担当してくれる専門家です。
相続財産調査や相続人調査、遺産に不動産が含まれている場合の遺産分割協議書作成、140万円以下の遺留分侵害額請求などを依頼できます(認定司法書士の場合)。
ただしトラブル解決能力はなく、相続税の相談はできません。
弁護士
法律問題全般を相談・依頼できる専門家です。
相続人調査や相続財産調査、遺産分割協議・調停、審判の代理や遺留分侵害額請求など幅広く依頼できます。
他の相続人とトラブルが起こりそうな場合、弁護士に依頼する必要があります。
税理士
税務の専門家です。
相続税が発生する場合には、税額の計算や申告を税理士に依頼する必要があります。
2.相続問題の相談で弁護士を選ぶべき理由
遺産相続を依頼する専門家を選ぶ場合には、弁護士に相談するようおすすめします。
他業種の場合、万一もめごとが発生してしまった場合に対応してもらえないからです。
相続問題はトラブルになりやすい
相続発生直後は相続人は誰なのか、遺産の内容など、詳細が分からない事が多くあります。始めは問題なく進むように思えても、相続人や遺産の内容が明らかになるにつれてトラブルが起きる可能性があるのです。
例えば、次のようなケースはトラブルになりやすいといえます。
- 納得できない内容の遺言書が出てきた
- 遺産に不動産が含まれている
- 一部の相続人が遺産を独り占めしている
- 一度も会ったことのない相続人がいる
- 遺産の使い込みの可能性がある
- 寄与分を主張されている
- 生前贈与があった
このような問題が起きた場合、弁護士以外の専門家では対処する事ができません。
弁護士ならあらゆる相続トラブルに対応可能
たとえば、行政書士や司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼しても、後でもめると「弁護士に相談に行くように」と言われてしまいます。
するとあらためて弁護士を探して依頼しなければならず、手間も費用も2重にかかってしまうのです。
もめる可能性が少しでもあるなら、当初から弁護士に相談しておく方が安心で経済的といえるでしょう。
いくつかある相続の専門家の中でも弁護士を選ぶべき理由については以下の「相続問題を弁護士に依頼すべき理由」のページをご参照ください。
3.相続の相談で、どのような弁護士を選ぶべきか、ポイントや基準を8つ紹介
遺産相続を弁護士に相談するとき、どのような弁護士でも良いわけではありません。
弁護士にもいろいろな人がいて、相続に強い人ばかりとは限りませんし、依頼者との相性もあるからです。
以下では相続を相談・依頼する弁護士を選ぶときの8つのポイントをご紹介します。
1.相続に力を入れている
まずは相続に力を入れていることが必須です。
弁護士業務にはいろいろなものがあり、すべての弁護士が相続に取り組んでいるわけではありません。日頃ほとんど相続問題を取り扱っていない弁護士もいます。
そういった人に依頼しても、適切な対応はしてもらいにくいでしょう。
弁護士が相続に力を入れているかどうかについては、HPや運営サイトを見ればある程度判断できます。相続の専門サイトを作っていたり、相続トラブルに関する既述が多かったりわかりやすく説明したりしている弁護士は信頼しやすいと考えられるでしょう。
2.相続関係の実績が高い
弁護士のこれまでの実績にも着目しましょう。
たくさんの相続トラブルを解決した実績のある弁護士であれば、どのような事案でも効果的な対応をしてもらえる可能性が高いと考えられるからです。
相続問題の相談実績や解決実績については、サイト上に掲載されている弁護士事務所もありますし、解決事例や依頼者の声が掲載されている事務所もあります。まずは運営サイト上の情報を確認して相談すべきかどうかを判断しましょう。
相談時に弁護士に直接聞けば解決実績数や類似事例なども教えてもらえるケースも多く、依頼するかどうかを判断する材料になります。
3.弁護士に話しやすく、質問しやすい
弁護士に相続問題を依頼する際には、その弁護士と話しやすくて質問しやすいかどうかも重要です。
いったん遺産相続を依頼すると、数か月やときには1年以上の長期になるケースも少なくありません。そんなとき、話しにくい、あるいは質問しにくい弁護士が相手だとコミュニケーションをとりにくく、ストレスが溜まってしまいます。また自分の希望を伝えにくいと希望と異なる方向へ進められてしまう可能性もあります。
リスクを避けるため、当初依頼の段階から話しやすく質問しやすい弁護士を選ぶのがおすすめです。
4.説明が丁寧
弁護士を選ぶときには、説明が丁寧でわかりやすい人を選びましょう。
弁護士により、依頼者への対応はさまざまです。必要最低限のことしか伝えてくれず、弁護士側で多くの判断をしてしまう方も少なくありません。しかし説明がないと依頼者サイドとしては不安を感じるものです。
また遺産相続手続きを依頼するとき、必ずしもメリットばかりとは限りません。希望とおりに解決できないリスクや各種の判断にともなうデメリットなども発生するものです。リスクやデメリットについても隠さず話してくれる弁護士が良い弁護士といえるでしょう。
5.弁護士費用が明確、リーズナブル
遺産相続を弁護士に依頼すると、高額な費用が発生するケースも多々あります。
ただ弁護士費用は各事務所がそれぞれ独自に定めているので、依頼先によって大きく変わる可能性もあります。一定の相場はありますが、必ずしも相場に従っている事務所ばかりではありません。
また費用体系が不明瞭な場合、後に高額な追加費用が発生して弁護士ともめてしまう事例もみられます。
依頼先の事務所を選定するときには、費用体系が明確でリーズナブルな弁護士を選びましょう。
なお「なるべく安い弁護士が良い弁護士事務所」というわけではありません。良いサービスにはそれなりの費用がかかるものだからです。
サービスの質が高く、その割に費用が安い「リーズナブルな事務所」が良い事務所といえるでしょう。
6.アクセスが良く柔軟な対応をしてくれる
遺産相続を依頼する際には、事務所へのアクセスが良いことも重要です。
相続問題に対応するには、何度も事務所へ通わないといけない可能性が高いからです。
アクセスの悪い事務所や遠方の事務所に依頼してしまうと、通いにくくてストレスとなったり交通費がかさんでしまったりするリスクが生じます。
以下のような基準で弁護士事務所を選びましょう。
- 自宅や職場から近い
- 調停が行われる裁判所から近い
- 駐車場がある
また相談時間についても柔軟に対応してくれる事務所を選ぶべきです。さらに、オンライン相談に対応しているなどの事務所は便利でしょう。
7.他業種と連携している
相続問題に対応するには、不動産登記や相続税の申告なども必要になるものです。
一般的な弁護士は登記や税務を扱っていないので、こうした問題については別途司法書士や税理士を探さねばなりません。
依頼者サイドにしてみると他業種の専門家を探す手間や時間がかかってしまいます。
相続に力を入れている弁護士であれば、司法書士や税理士などの他業種と連携しているものです。その場合、依頼者が自分で司法書士や税理士を探さなくても必要に応じて弁護士から相続に詳しい専門家を紹介してもらえます。
他業種と連携していてワンストップで相続問題を解決してくれる弁護士を選びましょう。
8.相性が良い
相続を依頼する弁護士を選ぶときには、弁護士との相性も重要です。
どんなに相続に詳しく解決実績が高く評判が良くても、「自分と合わない人」に依頼するとストレスになります。
いったん合わない弁護士に依頼してしまうと、後に変更するのは大変な労力になりますし費用も二重にかかってしまう不利益があります。
当初に相談したときに「この人なら案件を任せられる」と感じられる人を選びましょう。
4.相続問題は群馬の山本総合法律事務所へご相談を
山本総合法律事務所は遺産相続に力を入れて取り組んでいます。
- 相続人調査や遺産調査
- 遺産分割協議書の作成
- 遺産分割協議や調停、審判の代理
- 遺留分侵害額請求
- 相続放棄や限定承認の申述
- 預金使い込みへの対応
- 遺言書作成サポート
どのような案件にも丁寧かつ親身になって対応しております。
群馬県内では弁護士が8名所属しており、専門チームを組んで相続問題の解決にあたります。
同じビル内に税理士事務所と司法書士事務所があり、他士業とのネットワークを駆使したオーダーメイドのリーガルサービスが強みです。遺産相続トラブルの解決だけでなく、相続登記や相続税の申告まで、相続のワンストップサービスを提供可能です。
遺産相続についてれ相談できる弁護士をお探しの相続人の方がおられましたら、お気軽にご相談ください。